繊維商社のSDGsの取り組みまとめ

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豊島株式会社

FOOD TEXTILE

廃棄される野菜や果物で染色するプロジェクトです。

カゴメ、タリーズ、ハウスなどがパートナーとなり、染料の原料となる廃棄物を提供してもらっています。

自然由来ならではの優しい色合いが特徴で、大手アパレルメーカーで採用が広がっています。

地域のおみやげものやノベルティなどを、地域から出る廃棄食材で、地域の工場で染色・加工するプロジェクトも推進中で、地方経済の活性化にも貢献しています。

廃棄食材についても、地域の会社から買い取ることでロスに貢献し、一石三鳥のモデルになっています。

ウィルサイクルダウン

株式会社丸八真綿と豊島のエクスクルーシブな取組です。ダウン商品を丸八真綿が回収し、製品よりダウンを取り出して洗浄します。リサイクルダウンに新羽毛をMIXして新たな再生羽毛原料とします。

アップドリフト

漂着ペットボトルなどをリサイクルする取り組みです。深刻化する海洋プラスチック問題などに対応するもので、同社が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みの一環となります。

地域で活動する団体及び地方自治体、企業と連携して行うクリーンアップ活動で回収した漂着ペットボトルを活用する。ペットボトルなどを分別・粉砕してフレークにした後、洗浄して糸の原料となるペレットにします。

第1弾として、シチズン時計が販売するサステイナブル(持続可能)なウォッチブランド「シチズンエル」のバンドでアップドリフトの採用が決まっています。

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オーガビッツ

オーガニックコットン100%にこだわらず、10%からでもいいので、オーガニックコットンに変えていこうというオーガニックコットンの先駆け的なプロジェクトです。

SDGs関連出資

JEPLAN(旧日本環境設計)

JEPLANが企画・運営するBRINGは不要になった繊維製品を回収し、そこから服をつくるサーキュラーエコノミーを実現するブランドです。


回収した繊維製品に含まれるポリエステル繊維を科学的に分解(解重合)し、その後、再度重合させ、もう一度ポリエステル原料であるボリエステル樹脂を製造することで、ポリエステルの主原料である石油の使用量削減に貢献できる世界でも先進の技術です。簡単に言うとポリエステルでできた製品からポリエステル原料を作るという技術です。

JEPLANに豊島は出資しており、また糸販売におけるパートナーシップを結んでいます。

株式会社グッドバイブスオンリー

需要予測による廃棄衣料の削減やサンプル作成の削減などでSDGsに貢献するアパレルDXサービス Prockを運営する株式会社グッドバイブスオンリーに出資しています。

豊田通商株式会社

パッチワークス(PATCHWORKS)

「パッチワークス(PATCHWORKS)」は、繊維循環のインフラ構築を目指す新プロジェクトです。

衣類の再資源化は、回収した後の分別や解体作業にコストがかかってしまう点が課題です。

パッチワークスでは、参加企業から消費者に呼びかけ、消費者自身に作業してもらいます。回収後は、衣類回収業者のナカノが2次選別(取りきれていない資材や異物の除去)を行い、提携するリサイクル工場で繊維に戻すというポストコンシューマー型の取り組みです。参加企業には回収だけでなく、再生した糸を購入してもらう循環型の取り組みとなります。

豊田通商は、主要取引先であるパタゴニアとの取り組みでもSDGsを多く進めています。

パタゴニアは、Tee-Cycle™(ティーサイクル)という古着のTシャツを回収し、リサイクル原料100%で新しいTシャツを作るというプログラムをしています。

集めた古着をフィンランドを拠点とするサプライチェーンのパートナー〈インフィニテッド・ファイバー〉によってインフィナ繊維という素材にリサイクルし、工場から収集したコットンの端切れを混紡することによってティーサイクル・コレクションが作られます。

豊田通商はこのプロジェクトの日本国内でのパートナーとなり、日本国内でもプログラムを開始しています。

NetPlus®

豊田通商は、パタゴニアとの取り組みを廃漁網を原料としたリサイクルナイロン素材NetPlus®でも行っています。

NetPlus®は、米国BUREO社と提携して回収する廃漁網を原料としたポストコンシューマー型のリサイクルナイロン素材です。NetPlus®は同社が20年以上生地を供給している米国Patagonia社に採用され、トレーサビリティを含めたサプライチェーンマネジメントも同社が行っています。

COTTON∞

もう一つのブースで紹介したCOTTON∞は、フェアトレードコットンの普及を通じて持続可能な社会を作ることを目的としたソーシャルグッドプロジェクトです。使用する糸にフェアトレードコットンを8%以上混入する取り組みです。

MNインターファッション株式会社

バナナ クロース

廃棄されるバナナの茎のプロジェクトです。バナナの茎部分の廃棄は年間約10億トンと言われており、その繊維と綿を混紡した糸はリネンのような質感だそうです。バナナ繊維を活用することは環境汚染につながる廃棄物を減らすことになり、循環型社会に貢献できます。

三菱商事株式会社

スマリ(SMARI)

既存の物流網を活用したEC商品・レンタル商品の発送・返品・返却サービスになります。

スマリは、関東・中部・関西のローソン等3,000店舗に設置されている専用ボックスから、商品の発送・返品・返却を行うことができるサービス。集荷用の車を新たに手配するのではなく、ローソン等の配送ドライバーが「戻り便(配送終了後の帰路)」を活用して商品を回収する仕組みのため、CO2削減に配慮した物流サービスを実現しています。

蝶理株式会社

BLUE CHAIN®(ブルーチェーン)

BLUE CHAIN®は長く複雑な繊維業界のサプライチェーンを線でつなげ、各企業が持つ機能を掛け合わせ、環境負荷の少ない商材や仕組みを生み出す取り組みです。100社以上のBLUE CHAIN®PARTNERSパートナー企業と商品開発をしています。

ECO BLUE®

回収されたペットボトルを使用した蝶理オリジナルのリサイクルポリエステル糸

ウツミリサイクルシステムズ株式会社との協業でペットボトルリサイクルを2019年より開始。海外の廃ペットボトルを使用したリサイクル糸から日本で排出された廃ペットボトルを使用したリサイクルペレットの国内生産へと転換し、国内で地産地消する循環型の仕組みを構築している。

ECO BLUE使用テキスタイル一覧

TEXBRID®

形状回復性に優れたタフな高伸縮機能糸

SPX™

北陸産地の加工場で50年以上続く日本独自のPIN仮かり撚より加工技術による高捲縮ストレッチ糸

WS™

低温で早く染まる特徴を持つ素材(小松マテーレ株式会社と当社との共同開発)

ナチュラルダイ®

天然色素と一部化学染料を併用した新自然染め素材

MILLENNIUM ORGANIC®(ミレニアム オーガニック)

白度が極めて高く塩素漂白剤や余分な還元剤が不要なホワイトキング種の原綿を使用したコットン

株式会社GSIクレオス

VERPLANTS®(バープランツ)

VERPLANTS®は、さとうきびを原料として使用した植物由来の高強力ポリエチレン素材です。従来品の石化由来ポリエチレン製品と比べ、CO2排出量を70%削減できます。また、原糸としてエコマークを取得しており、現在は各工場向け耐切創用手袋などで使用されています。また、今後の他用途への展開を見据えた、研究・開発にも注力しています。

ウルグアイウール

ウルグアイは国内電力の95%を再生可能エネルギーでまかなっており、 ウール加工においてもこのエネルギーが用いられているため、カーボンオフセットに貢献する素材と言われています。

GREEN-TEX ~廃タイヤシリーズ~

廃タイヤを熱分解して取り出した分解油をベースに製造されたナイロンです。一般的なナイロンに比べてCO2排出量を28% 削減できる、環境に優しいナイロン素材で、ウインドブレーカーやダウンジャケット、レインウェア用の生地などに使用されています。

伊藤忠商事株式会社

ARChemia(アルケミア) プロジェクト

レゾナック(旧昭和電工)と共同で行う使用済みプラスチックと繊維の循環事業です。レゾナック川崎事業所のプラスチックケミカルリサイクルプラント(KPR)を活用し、化学繊維を使った使用済み衣料品を活用したアンモニア生産を予定しています。 天然ガスなどから生産する従来方式より二酸化炭素(CO2)排出量を約8割減らすことができます。

エコニール

「エコニール」は使用済みの漁網やカーペット(ポストコンシューマー)、プレコンシューマーの素材(製造工程などで出る端切れ)など100%廃棄物から作られるリサイクルナイロンで、解重合してカプロラクタムを再生するため、通常のナイロンと同等の品質です。石油由来の通常のナイロンに比べてCO2排出量を最大90%削減できます。

「プラダ」「グッチ」「バーバリー」といった有力ブランドの採用実績があります。

エコニールを製造・販売する伊アクアフィルとの業務提携し、廃ナイロンの回収サポートとエコニール製品の営業活動全般を行っています。(※伊藤忠商事はナイロン原料であるカプロラクタム(以下、CPL)およびナイロンチップの貿易量が世界有数規模です。)

廃ナイロンの回収は、伊藤忠商事が持つグローバルネットワークを生かし、日本だけではなく、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、中南米など世界各国で進めており、現在10拠点以上で回収および協議を進めています。

アクアフィルはすでに原料となる漁網はアクアフィルの提携パートナーやNGOと組み回収、プレコンシューマー素材は「グッチ」「ステラ マッカートニー」「スピード」などと提携し、回収を進めています。カーペットは米国で回収拠点を設けて回収スキームを確立しています。

プレオーガニックコットン(POC)

通常のコットン農家が、オーガニック栽培に切り替えてもオーガニック認証を受けるまで、2年~3年の期間がかかります。この間、コットンの生産量が減る危険性があり、経済面で農家にとってオーガニックコットン栽培を始める最大の障壁となります。このオーガニック認証を得るまでの移行期間の間、農家を支援する仕組みがプレオーガニックコットンプログラムです。

プレオーガニックコットンプログラムは、クルックと伊藤忠の共同事業です。

SDGs関連出資

アクアフィル(イタリア)

世界的なリサイクルナイロンブランド「エコニール」を製造・販売するアクアフィルに出資しています。

帝人フロンティア株式会社

「THINK ECO®」

環境戦略「THINK ECO®」を掲げ、「素材からエコにこだわろう」「きれいな空気と海を守ろう」「省エネな毎日を送ろう」という三つの重点目標に沿って、「ECOPET®」「DELTA® TL」「DELTA® freemo®」「Thermo Fly®」等の環境配慮型素材を紹介した。

ECOPET®は、使用済みの衣料品やポリエステル繊維くず、ペットボトルなどを原料とするリサイクルポリエステル繊維です。1995年から2020年3月までの生産実績は累計50万t(ペットボトル換算250億本、Tシャツ換算25億枚に相当)の実績があります。

フリースに代表される起毛品は、製造時に、ブラッシュ(起毛)と呼ばれる糸を針で引っ搔いて繊維を切断して、故意的に毛羽立たせる工程があるため、洗濯時に繊維片が出やすく、この繊維片がマイクロプラスチックの原因の一つとされています。

DELTA® TL、DELTA® freemo®、Thermo Fly®は、ポリエステル長繊維を使用し、起毛加工をせずに軽量で嵩高な構造体を作ることで、フリースに似た風合いや保温性を持ちながらも、繊維片の発生を防ぐことができます。

スタイレム瀧定大阪株式会社

ORGANIC FIELD(オーガニックフィールド)

インド企業のNSL社とパートナーシップ協定を結び、インドのコットン農家のオーガニックへの移行から支援することで、オーガニック栽培への転換とトレーサビリティを担保する取り組みです。

PLUS∞GREEN PROJECT(プラスグリーンプロジェクト)

従来廃棄される衣類などのポリエステル繊維を培地としてリサイクルすることで、人々がサステナビリティに親しみを感じるライフスタイルの実現を目指すプロジェクトです。

TUTTIⓇ

TUTTI(トゥッティ)は、従来なら廃棄されてきた衣服などのポリエステル繊維をリサイクルした「繊維から生まれた土」です。

STYLEM AGRI LABO

ポリエステル繊維リサイクル培地の生育実証の場として、 近畿大学およびアースコンシャス株式会社とともに、淡路島パルシェが運営する“パルシェ 香りの館”内最新の設備のもと現在約20種類の果樹・野菜を栽培しています。

Triporous™(トリポーラス)

ソニーグループ株式会社が独自開発したTriporous™(トリポーラス)は、余剰バイオマスである米の籾殻を原料とした天然由来の多孔質炭素材料です。米の籾殻は、世界中で年間約1億トン以上排出されており、この廃棄されていた素材を活用できる循環型サステナブル素材と言えます。

多孔質炭素材料であるトリポーラスは、抗菌・消臭効果を持っています。スタイレムは、繊維アパレル分野での開発パートナーとしてウエア素材の開発を行っています。

SDGs関連出資

株式会社グッドバイブスオンリー

需要予測による廃棄衣料の削減やサンプル作成の削減などでSDGsに貢献するアパレルDXサービス Prockを運営する株式会社グッドバイブスオンリーに出資しています。

タキヒヨー株式会社

UPCYCLE COTTON PROJECT

スノーピークが2021年8月から新たに取り組むコットン製品のリサイクル事業「UPCYCLE COTTON PROJECT」にパートナーー企業として参加しています。

ファストファッションのデニムの生産が行われているグアテマラで、製造段階で出る大量の裁断片を綿に戻し、糸を紡いで新たな製品としたものやスノーピークの店頭で着なくなった服を回収してリサイクルしたものなどで構成されています。

モリトジャパン株式会社

Rideeco

モリト社が行っているSDGsプロジェクトです。

オーシャンカレント(Re-amide(リアミド))

Re-amideは、資源再生事業会社、リファインバース株式会社が展開する廃棄漁網をリサイクルしたリサイクルナイロンです。リファインバース社には、住友商事や住江織物も出資しています。

オーシャンカレントは、Re-amideを原料に、モリトが展開しているリサイクルナイロンテキスタイルです。

Re-amideは廃棄された漁網やシリコーンコート付エアバッグを主原料とするポストコンシューマー型リサイクルナイロンで海洋プラスチック問題の改善に効果があると期待されています。

モリリン株式会社

PANECO

廃棄衣類繊維をアップサイクルし、リサイクルボードにしたパネコの日本販売代理店をしています。

参考サイト

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