布への印刷(捺染)は、通常シルクスクリーンプリントという手法でプリント(捺染)されていました。しかし、シルクスクリーンプリントは、色数毎に製版が必要のため、イニシャルコストが高く、小ロットだと非常に割高になってしまうという問題がありました。
近年、インクジェットプリントの普及により、小ロットで生地へのプリントができるようになり、小規模ブランドや個人でもオリジナルデザインの商品ができるようになりました。
布・生地(テキスタイル)へのインクジェットプリントの受託加工を受け付けているサービス一覧をまとめました。
1.coromoza
原宿、表参道にあるファッションのコワーキングスペースで、生地プリンター以外にもTシャツ用プリンターやミシンなど服作りの施設が充実しています。顔料プリント主体で加工するので、納期も早く、洋服1着分だけつくったりする極小ロットオーダーにも対応しています。現地まで、プリントしに訪問するか、ネットオーダーを選択できるので、プリントする様子が見たい人や特急対応を希望する人に向いています。
・¥1,250/50cm~
・即日対応も可能
【2018年11月20日追記】 coromozaにて、服飾専門学生向けの生地プリントの特別割引サービスをしています。
卒業制作向けの生地プリントの特別割引(30%〜50%OFF)をはじめました。こちらのフォームからのみの受付になります。ご希望の方はこちらよりお申し込みください。https://t.co/1J14rLlatm
— coromoza / コロモザ (@coromoza) November 20, 2018
2.HappyFabric
1mからプリント可能です。選べる生地は、ポリエステルがメインとなっています。また、デザインデータの作り方などのお役立ちコンテンツが充実しており、これからものづくりをしてみたいクリエイターむけの情報が充実しています。
また、ユニークな取り組みとして、自分が作成したデザインをアップロードして生地としてバイオーダーで販売できるサービスも展開しています。
・1m2900円~(生地代込み)
・4営業日発送
3.CONTRADO
105種の生地をラインナップしており、ミニマムロットもありません。
学生向けには20%オフの学割制度もあります。
加工はポリエステルは昇華転写、天然素材は、顔料インクでの加工が中心です。
こちらのサービスでは、アパレル製品のオリジナルプリントも対応しており、そちらのボディ(プリントできる製品)のラインナップも豊富で、この業者の最大の魅力は布プリントよりも製品プリントだと思います。
ロンドンを拠点としていて、問い合わせの電話番号も03で始まりますが、ロンドンに転送されます。注文後、48時間以内に出荷し、出荷から約4-6日程度で日本に到着する体制を整備しているので、ロンドンの業者に依頼しているということを感じさせません。
ただし、関税が発生するケースや日本国内とは使用する薬剤、染料に関する法律が違うので、想定外のトラブルが発生するリスクがあることは考慮する必要があります。
・1m2,320円~(生地代込み)
・加工期間 48時間 配送期間 約4-6日程度
4.tunageru made-to-orderサービス
スタートアップの株式会社ディープラストレーディングが運営するテキスタイルのBtoBサービスです。
繊維業界とのパイプを活かして、老舗の捺染工場での加工をしているため、品質が高いです。顔料(加工工程が短く、簡単にできるが、物性がよくない)でのインクジェットプリントをするところが多い中、天然繊維の染料インクでの加工が可能です。また、各生地商社とのネットワークで、P下(プリント用の生地)も様々なものを取り寄せて使うことができます。
プリントした生地をハンカチなどに製品化して納品してもらうこともできます。
1反(50m)以上で割引になるので、どちらかというプロユース向けになります。
・1メーター当たり 1,000円~ (50m以上の場合)
・標準納期 約8営業日程度
まとめ
生地の捺染プリントは、シルクスクリーンかインクジェットか、染料か顔料か、また、同じ染料の中でも使用インクの色数でも仕上がりが変わったりと非常に奥深いです。
知識のある経験豊富なプリント生地コンバーターと取引できるのがベストですが、ある程度ロットがないとなかなか相手にされません。
それまではこのようなウェブサービスを自分のニーズに合わせて上手に活用することをお勧めします。
このようなサービスを使って生産した商品をBASEのような無料でネットショップが開設できるサービスで販売していくことで、ブランド立ち上げのハードルはだいぶさがりました。